東信工業通信

  1. HOME»
  2. 東信工業通信»
  3. 液だれ防止対策について 12

液だれ防止対策について 12

前回のコラムでも液だれ防止対策について少し触れましたが、今回はその対策について、もう少し詳しくご紹介します。                               アルマイト処理における液だれは、外観不良や染色ムラの原因となるため、処理工程だけでなく、処理前の準備段階から対策を行うことが重要です。特に、製品形状や治具の選定、前処理方法を工夫することで、液だれの発生を大きく抑えることができます。


1.製品形状の確認

まず重要なのが、製品形状の確認です。アルマイト処理では、穴や溝、凹部など液が溜まりやすい箇所があると、処理後に残った液が流れ出し、液だれ跡となってしまいます。そのため、加工段階で不要な深溝や液溜まり形状をできるだけ避けることが理想です。また、設計変更が難しい場合でも、液が抜けやすい向きで治具に取り付けられるかを事前に確認しておくことが大切です。


2.治具の選定と製品の吊り方

次に重要なのが、治具の選定と製品の吊り方です。製品をどの角度で吊るすかによって、液切れ性は大きく変わります。液が自然に流れ落ちる方向を考慮し、水平ではなく少し傾けて固定することで、穴部や隅部に液が残りにくくなります。さらに、接点位置を適切に設定することで液溜まりを減らし、より均一な処理が可能になります。量産前に試作処理を行い、最適な治具条件を確認しておくことも有効です。


3.前処理工程での対策

前処理工程では、脱脂洗浄を十分に行うことです。油分や加工汚れが残っていると、液が部分的にはじかれ、液膜が不均一になります。その結果、液だれやシミの原因となってしまいます。そのため、アルカリ脱脂を適切に行い、表面を均一な状態に整える必要があります。また、水洗不足による薬液残りも不良につながるため、前処理後の水洗管理も重要です。


4.表面粗さの管理

製品表面の粗さ管理も、液だれ防止に関係します。表面が極端に粗い場合、細かな凹凸に液が残りやすくなるため、必要に応じて研磨やバフ処理を行い、均一な表面状態にすることで液切れ性の改善が期待できます。


まとめ

このように、アルマイト処理前の段階では、

  • 製品設計
  • 治具条件
  • 洗浄管理     など、さまざまな対策を行うことができます。

事前準備を適切に行うことで液だれ不良を未然に防ぎ、アルマイト品質の安定化につながります。アルマイト処理業者だけでなく、加工業者様もアルマイト処理への理解を深めることで、より品質の高い製品づくりにつながるのではないでしょうか。