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アルマイトの液だれの原因 11

アルマイト処理における液だれは、外観不良や腐食の原因となる品質問題です。特に建材、自動車部品、電子機器筐体など外観品質が重視される製品では、液だれによるシミや変色が不良品として扱われます。液だれとは、処理工程中に使用された薬液や洗浄水が製品表面や内部に残留し、後工程や乾燥後に流れ出して痕跡を残す現象をいいます。

原因として最も多いのは、製品形状による液溜まりです。アルマイト製品には穴、溝、袋形状、曲げ部などが存在することが多く、これらの部分に硫酸、水洗水、封孔液などが残留します。表面上は乾燥しているように見えても、内部に残った液体が時間差で流れだし液だれとなって現れます。また、吊り治具の角度が適切でない場合、液が自然に流れ落ちず、端部や隅部に滞留しやすくもなります。

次に洗浄不足や水切り不足も大きな要因です。アルマイト工程では脱脂、エッチング、中和、陽極酸化、封孔など複数の薬液工程を経るため、各工程後の水洗が不十分だと薬液が持ち越されます。特に封孔液が残ると、乾燥後に白色のシミやムラとなりやすいです。さらに、エアブローが弱い場合や乾燥時間が短い場合には、微量の液体が残り、後から垂れて出てくる場合もあります。弊社ではこのようなことが起こらないよう十分なエアブロー、または袋穴が多い製品に関しては自然乾燥で対応する場合もあります。

また処理条件の不適切さも液だれを起こします。例えば封孔温度が高すぎると蒸発が不均一になり、薬液成分が局部的に濃縮されます。また、薬液濃度管理が不十分な場合、粘性が高まり液だれが悪化します。さらに、処理ラインの搬送速度が速すぎると、水切り時間が不足し、液残りが増加することとなります。

対策としては、まず製品設計段階で液抜き性を考慮することが重要です。穴の位置を見直し、液が滞留しにくい構造にすることで改善できます。また、治具の吊り方向を変更したり、排液しやすい角度を確保することも効果的です。製造面では、エアブローの強化、水切り時間の延長が有効です。さらに、純水洗浄を長めにしたり乾燥の温度や時間を適正化することで液だれ発生を低減できると考えています。