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社長ブログ

アルマイト加工の色が合わない?カラーアルマイトで起こりやすい“あるある”と私たちの対策

こんにちは。
今回は、アルマイト加工の中でもよくご相談をいただく「カラーアルマイトの色ブレ」について、少し現場目線でお話ししたいと思います。

アルマイト加工をご依頼いただいたお客様から、こんな声をいただくことがあります。

「前回と今回で色がちょっと違う気がする…」
「ロットが変わったら濃さが変わった」
「同じピンクのはずなのに、質感が違う」

実はこれ、アルマイト加工では“起こり得る現象”なんです。
そもそもアルマイト加工(染色)ってどういう仕組み?
アルマイト加工は、アルミニウムの表面に酸化皮膜をつくる表面処理です。
カラーアルマイトの場合、その皮膜に「染料」を染み込ませて色を付けています。

ここがポイントなのですが、塗装とは違い、染料の濃度や染色時間によって色の濃淡をコントロールします。

例えば同じ赤の染料でも、
濃くすれば深い赤
薄くすればピンク
微調整すれば濃いピンクや淡いピンク
と、かなり自由に色味を作ることができます。

この“自由度の高さ”が、アルマイト加工の魅力でもあり、難しさでもあるんです。
なぜロットごとに色が変わるのか?
「サンプルはこの色だったのに…」
というケース、実は珍しくありません。

 

理由はいくつかあります。

素材ロットの違い
皮膜厚の微妙な差
前処理の状態
染色温度や時間
製品が濡れているか乾いているか
照明環境の違い

特に見落とされがちなのが“照明”です。

自然光で見る色と、蛍光灯の下で見る色は印象が変わります。
見る場所が違うだけで、「合っている」「違う」の判断が変わることもあります。

つまり、アルマイト加工で完全一致を目指すことは、実はかなり難易度が高いのです。

「限度見本」をやめた理由
以前は、色ブレ対策として「限度見本」を作ることもありました。
上限色・下限色を決めて、その範囲に入っていればOKとする方法です。
ですが、この方法には大きな落とし穴がありました。

お客様は
「ちょっと外れているように見える」
私たちは
「範囲内に入っている」

…という状況が起きてしまうのです。

しかも、見る環境や光源によって判断が変わる。
結果的に、水掛け論になってしまうことも。
その経験から、現在は限度見本方式でのご依頼はお断りしています。
私たちが行っているアルマイト加工の色合わせ方法

ではどうしているのか。
私たちは、量産前に必ずテスト加工を行います。

流れはこんな感じです。

テストピースでアルマイト加工(染色)を実施
色判定に適した環境で確認
データを整理
その情報を現場にフィードバック
量産時の基準として使用

現場で職人がサンプルを見ながら合わせ込むのは、どのアルマイト加工業者も行っていることだと思います。もちろん私たちもやっています。
ただ、ライン上は色判定に最適な環境ではありません。
だからこそ、一度きちんと評価環境で確認し、“感覚”ではなく“工程”として色を管理するようにしています。

正直に言うと、コストは上がります
この方法にはデメリットもあります。

テスト工程が増える
テストピースの準備が必要
追加コストが発生する

安さ最優先、スピード最優先、という案件には向かないかもしれません。
ですが、「色で揉めたくない」「見た目品質を重視したい」というお客様には、今のところ非常に高評価をいただいています。

実際、この方法を導入してから、色に関するクレームは発生していません。

アルマイト加工は“見た目品質”が命
アルマイト加工は、機能面だけでなく“見た目”が重要な製品に使われることが多いです。

だからこそ、
ロット差をゼロにするのは難しい
でも、近づける努力はできる
そして、工程で管理することが大切
私たちはそう考えています。

もし、アルマイト加工の色合わせでお悩みでしたら、
単純な「この色にしてほしい」というご依頼だけでなく、量産前テストも含めて一度ご相談ください。

少し手間は増えますが、その分、安心感は大きくなると思います。
現場で日々向き合っているからこそ言える、ちょっと正直な話でした。